>>104 ヴィヴィ
[眼帯つけたままの瞳は、やはり、髪型や眼帯に似合わぬ柔らかさを持っている。眼帯の下は栗色に戻り、腫れも大分前から引いているのだけれど──外すのを単純に忘れているだけのこと。余裕がない、とも言うのかもしれない。]
……ヴィヴィ、好きだ。
[赤く染まった頬や、潤んだ瞳が、どうしようもなく色っぽくて。こちらも顔を赤らめてしまう。
繋いだ手がやけに熱く感じて、エスコートするようにスマートには行かないけれど、胸がとても温かく感じた。
嗚呼、愛しい人の鼓動を止めたアンプルを、打った張本人は涙を流しているけれど……]
ヴィヴィに会えて、本当に幸せなんだ。
[こうやって寄り添えるのが、互いに命落とした代償だなんて思いたくなくて。赤い声、返せるほどに割り切れない。歩く途中一度振り返り、ぎゅっとヴィヴィを抱きしめた。]
(110) HISANO 2011/07/02(Sat) 02時頃