[気の毒に。>>97
そう聞いた瞬間、触角がぴりぴりと震えた。
それでも、こちらへの問いかけ>>99を聞くまでは黙っていた。]
わたしならば言わない。
自分を害する相手は、すなわち敵だ。
習性や本能は理解する。我々にもあるものだからな。
だからと言ってこちらを害する敵に対して、同情も共感もしない。例えしたとしても、表明などしない。
それは、
[――わたしの星では、反逆と呼ばれる。
最後の言葉は呟くように吐き捨てて、言葉を切る。下がり気味になった触角が揺れた。
クラゲ騒ぎが起きるまで、船の中に敵はいなかった。故に、トルドヴィンが外敵に対する烈しい気性を見せることも、なかった。]
……すまない、取り乱した。
しかし、その考え方をわたしは理解しない。
[そう言って、しばらくは無言で話を聞く姿勢に戻った。]
(110) 2020/09/02(Wed) 21時頃