[視線を歌姫に戻したところで、咳の音。
どこからかと首をめぐらせたら、目の前に飛び込んで来た者>>100]
[こちらも驚いたが、丁寧な挨拶にひとまず頭を下げる。
返答をしようとした所で、言葉遣いに悩む。
普段は貴族の客には、さほど得意ではない敬語で話し、患者以外、もしくは年若い患者には普通の口調で話しているが]
好きな食べ物は何だ?
[年下だし、自ら出迎えに来るということはさほど身分も高くないのだろうと辺りをつけたところで、口が先に質問をしていた。
……しておきながら、自分で内心首を傾げる。何なんだこの質問は?]
……痩せすぎは良くない。
辛くとも、気をつけて食べるようにするんだ。
[なんとか納得のいく理由をつなげる。そうだ。随分小さいなと思った、あの印象を引きずっていたせいで、口が勝手に妙なことを言ったのだろう]
(110) 2013/01/11(Fri) 02時半頃