[今、すっげぇ腹の音しなかったか?>>104
譫言の様に空腹を訴える女は、一見隙だらけで弱そうに見えるのだが、圧倒的な強い魔力と潮の匂いがするのだから、手は出さない。と、言うより出せない。
メイドが骨付きの肉が乗った皿を届けてくれた頃合いに、女が立ち上がって幽鬼の様に近付いて来る。
両方の犬の手を使い、骨を挟む様に掴めば、改めて此方に来た事に気付き、耳が動いた。]
……あん?
何か、用がある……。
[言葉が途切れたのは、此方を見る女の目が虚ろだから>>105。
食べて良い、と尋ねながら薄い笑みを浮かべている様子は骨付き肉を食べたいのか、という疑問がある。
いや、それよりも、毛が騒ついている様に感じるのは何故か。]
に、肉を食いたいのか?
なら、ほら、これやるから。
[骨付き肉を手で挟んだまま立ち上がり、一歩後に下がりながら、肉を差し出してみるが、彼女は肉を食べてくれるのだろうか。]
(110) 2015/08/01(Sat) 19時頃