[魔法で出来る事が、自分達に出来ない筈はない。
彼らは揺るぎない意志と、絶え間ない努力を重ねてギャップを埋めていった。
国を守る為、或いは人々の暮らしを豊かにする為。
加速した技術革新は、やがて国土が元々いた国とは全く違う様相を呈するまでに行き着いた。
国境付近には高い防護壁と砦のような軍事施設が造られ、建物には木や煉瓦ではなく、コンクリートや金属が使われる。
また、この国に移った民の中には魔法を使える者も僅かにいたが、やがて魔法を使う事は大罪とされるようになった。
魔法と完全に関係を切り離した生活。
道具から発展して機械が生まれ、機械は複雑な動作を為すようになる。
そうした中で人型を取る機体も現れた。
魔法で動く人形を模したそれは、金属で出来ていた。
当時はフォルムも武骨で金属のボディーが剥き出し、人間と形が似ている以上の域を出ていなかった。]
(110) 2014/07/09(Wed) 02時半頃