………うー
[ マリオの頭に浮かぶのは「自業自得」なんて言葉でした。
一瞬にして昂ぶっていた気持ちは冷めてゆくのに、痛みで潤む瞳と地面に擦り付けた手の平はジンジンと熱を増すばかりです。
ゆらりと揺れる視界の中央に少し怖そうなお兄さんを捉えましたが、痛みに気を取られて恐れる気持ちは半減しています。>>103伸びかけた手には、当然気付くことはありません。 ]
あ、あのお…お兄ちゃん……
[ マリオの胸中を反省の二文字が支配します。何か話さなきゃ、まずは謝らなきゃ、と先の元気さとは一転して蚊の鳴くような声を細々と絞りましました。
─── ぱちぱち
瞬きをすれば、緑色の瞳からすうっと透明な雫が流れたでしょう。はっきりした視界で捉えたのは、怖そうなお兄さんではなく優しそうなお兄さんでした。マリオにはそう見えました。 ]
ごめんねえ…… ボク、少し手から血が出てるみたい…
お兄ちゃんは…怪我、なかった?
[ しゅん… 眉を下げてぺこりと頭だけでお辞儀します。それから、屈んで視線を合わせてくれた彼をじーっと見つめました。怪我をさせていないか確認しているようです。 ]
(109) 2015/04/20(Mon) 12時半頃