[細々と抵抗を繰り返していた彼らは武器を手に、支配者階級に反旗を翻して新たな国を作る事を望むようになった。
けれどその計画は事前に察知され、生き残った人々は大陸内で一際高く聳え立つ山脈の裏手に何とか落ち延びた。
其処は横たわる山脈の所為で開発のあまり進んでいない土地だった。
大部分が山野で平野も少なく。傾斜のきつい山には水が残りにくい上に、人の手の入っていない地域には凶暴な動物なども生息していた。
水源や食料の確保、建物の建てる事の出来る土地の形成、様々な問題が山積みだった。
けれど支配者達の手の及ばぬ土地に彼らは歓喜した。
――此処を自分達の国としよう、と。
落ち延びた地に咲き誇っていた薊の花にあやかり、最初に都市を形成した地はディステルと名付けられた。
それが現在のディステル・フライハイト国の前身である。]
(109) 2014/07/09(Wed) 02時半頃