[ 変化は唐突に、だが明瞭に現れた。
メキメキメキメキ‼︎ と、騎士の首元から奇怪な音が響く。
肉や骨から発すられる音というよりは、プラスチックに亀裂が走るような音だった。
ザックリと切り込まれていた首筋が、内側から強制的に足りない何かを埋めるようにして塞がれる。
ーー色は、白。
それと同時に赤黒い血が溢れるが、それは一定量で止まる。まるで体の内側の汚れを纏めて押し出したかのようだった。
機械仕掛けの騎士《エクエス・エクス・マキナ》
その効力は、体の一箇所を除いた全ての欠損を機械の体で補完すること、ただそれだけだ。
異形の騎士が、再び立ち上がる、見えない糸で胸元を引っ張られているかの如くダラリと手をぶら下げて。
その手に持った1m超のシャベルを、躊躇なく。体ごと振り回すようにして。
ミナカタ レイジの頸へと、不恰好な刃が吸い込まれた。]
(108) 2014/06/15(Sun) 21時半頃