[コテージと降車場の間を、三度往復した。
食料や天体望遠鏡を含んでいれば荷物はおのずと嵩張る。誰のものかは気にせずいくつか鞄を肩に掛け、ヘクターの声(>>52)に応じて、彼が担う最後の荷の半分を任される。体力には自信がないが、苦労があまり現れない平淡な表情は、なかなか余裕綽々といった風貌で。代打はよく働いた。
荷運びの最後。
荷を下ろした手でヘクターの肩を軽く叩いた。]
おつかれさまです。
夕飯の皿か、ワインのグラスを多くもらいましょうか。
――僕は、一服してから中に入ります。
また後で。
[労いに続けて、こそりと耳打ちしてからコテージ裏手へ。
喫煙は秘密裏で行う。煙草のパッケージと簡易な灰皿を携帯していることは、今回の参加者の中ではヘクターと……あとはトオゴ・ミナカタにしか打ち明けていない。
そんなわけで、煙草一本分の灰を携帯灰皿に落とし、煙の匂いが風に流れきるまで外で過ごし。コテージへと入ったのは随分後になってからだった。だいたい、部屋分けの話が一段落ついた頃合いで。]
(107) 2015/11/12(Thu) 22時頃