[その、喜六とのやり取りの最中か。 森の番瓦右衛門がやおらにこちらへ向いた>>92。]――ごさいじょ、[ついぞ聞き覚えのない響きに、脳が理解をさせてくれない。 ぽかんと口開け鸚鵡のように繰り返す間、隣の喜六はどうしていたか。 数秒の後に音が言葉として頭に辿り着けば、いきおい船窓際に凭れていた身体を起こし立った。]な……何をどうして、そうなる!誰が好き好んで戦場に伴侶を連れるものか![否定に声上げれば、思いの外大きく。 口を噤んで、鷹船が片翼と称すのに頷いた。 この男のこうした物言いが、ときおり好ましいと思う。]
(106) mmsk 2015/05/24(Sun) 23時頃