[横に飛び退き、狙いが逸れた銃弾が肩を貫き、激痛が走る。
そしてそのままどさりと倒れたとき。
視線の先に。
脳内で描かれた、形成するのを保つのが難しくなった地図が消える際に。
>>81…ゆらりと、人影が視えて。]
く…どう、……くん……
[歪み、何がどこにあるのかわからない視野の中。
もう暫くは立ち上がるのが難しいほど平衡感覚にダメージを受ける中。
姿を一度も見たことのない友人の名前が口をついてでてきた理由は…自分でも、わからない。
ぱきぱきと肩が凍る…そういえば、黒田という奴はそんな能力を持っていると聞いたっけ。
二人にはどのくらい、自分の能力は効いたのだろう。
もし三半規管を少なからず鍛えていたとしても、これで暫くは吐き気とめまいで動けないといい。
高校に、入りさえしなければ、それで。
二人の方に顔を向けるのも叶わぬまま、
謎の人影が視えた方を、ただぼんやりと見つめていた。]
(106) 2014/12/15(Mon) 16時半頃