[さっさと座ってしまったが、男は届け物が気になるのか、そちらへ視線を向ける様子が見て取れた。彼が立ち上がって視界を過ぎれば>>102、料理はそのままに腰を上げる。振り返ると、ちょうど彼が例の封筒を拾い上げていた。] ああ。そう……というか、そうじゃないというか。 それ、洗濯場で洗ってもらったんだけど。 服の内側に縫いとめてあった、らしい。 たぶん、貴方のもの……なんだと、思う。 ろくに読めないけど。手がかりになることが、あれば。[あればいい、と続けようとして、ふと言葉を止めた。彼の正体が判明することが必ずしも望ましいとは限らない――そう思い至る。ううん、と話の途中にも関わらず、考え込んだ。]
(106) 2013/06/20(Thu) 01時半頃