[ 同行の意を示すトルドウィン>>97を見て口を開こうとした時、腹部に何か>>93が飛び込んでくる。下を見ると、"いつもと同じ"ヘリンの姿があった。]
おかえ 、 り。
[ 涙の跡は水流に消えてしまっただろうか。
まだ目元が赤らんでいるようなら、水気のないそこを擦るようなフリをする。]
え 。 なん、 だろ。
……たぶ ん、 おかあ さん の にお、 い。
か、 な?
[ 言及することなく、彼女の明るい声にこたえようとする。
この身を作るガスの、甘酸っぱい匂い。自室に充満する匂いは、身に纏う宇宙服にも染みついているだろう。
それは、母なる星から生まれた己そのものだ。
跳ね回るように他の者たちの元へ向かう>>94のなら、軽く覆った腕を離して見送った。
そこに恐怖の色は、もう、ない。]
(106) 2020/08/30(Sun) 21時頃