――陽光が照らす地上の銀河《ミルキーウェイ》――
[休日、恋人達が待ち人に思いを寄せる広場の噴水の前。
白い巨躯が、ずんぐりと影を作っていた。
それにもかかわらず、街ゆく人々《ノルマーレ》は気にも留めない]
そうか……ここがあの終末の地か。
崩壊の因子を欠片も残していないとは、流石書の一族《カランダース》と云ったところか。
[露店が並び、賑やかな雑踏が溢れ、教会の鐘が響く平和な光景。
けれどその裏にあった破滅を、乱像《ノイズ》の瞳は思い出す。
――そこはかつて、愛《ジユウ》によって世界が滅びた果て《グラウンド・ゼロ》。
そしてカランダースの名の下に、世界が再創造された聖地《プロミスド・ワン》]
しかし、もう一人の創造たる叡智の気配が曖昧だ。
此の世界の神は何処に逝ったのだ……?
統べる天輪――パルクール・レジェンドよ。
[呟くと、長い腕を伸ばす。その先には、噴水が形創る小さな滝]
(106) 2013/05/21(Tue) 10時半頃