―5月3日朝7時頃、第二封鎖線付近―
>>76>>88>>100
[触れていた体温が離れる。心地良く閉じた世界から現実へと引き戻されてナユタはチアキの顔を見詰めた。やはりこれは都合のいい夢だったのではないかと。
思い違いだと分かったのはぼんやりと霞む視界の中、見知らぬ少女の姿>>70を見とめての事。慌てて手の甲で赤く腫れた目許を拭う。さすがに決まりが悪い。
どうやら少女はチアキのロケットを届けてくれたようだ。やや離れた場所からその遣り取りを窺い見る]
え…あ、…うん
[不意にチアキから掛けられた言葉――多分、ずっとこの手を望んでいた。ここから連れ出してくれる手を。
けれど少女の声>>88が耳に届くと差し伸べられた手を握ろうとする動きは止まり]
…………感染者と疑われるヤツを処刑する、そう書いてあんだよ
[辺りを見回す少女>>100へと顔を背けたままに告げた]
(105) 2013/07/24(Wed) 22時頃