[ワクラバせんせいは、果物と、お花をたくさんくれた。>>27
あたしはきっと、鳥さんのことは話さなかった。けれど、お花を貰った時、すこしだけしゅんとしてから、ありがと。って笑った。どっちの顔も本心だった。
あの日散りばめたお花のベッドは、今は草が生えしきり、すっかり周りの地面との区別が分からなくなっていた。
今でもお花を供えてはいるけれど、少しずつその頻度は落ちていた。
あとね、
比べるわけじゃないけれど、ヴェスパせんせいのお誕生日プレゼントが、一番うれしかったのは、内緒だよ。
あれから、ニコラスせんせいと手を繋ぐことはきっとなかったけれど、時々思い出して手をぐーぱー。
ぎゅって握ったヴェスパせんせいの手だってあったかかったの、あたしは覚えてる。
おまじない、きっと、すっごく効いたんだもの。だって、この一年、あたしは今までよりも泣かなかった。
命の短い少女の頭は、毎日を脳裏に刻み込む]
(105) 2016/10/10(Mon) 03時頃