― 寮・三船さんの個室 ―
[三船さん>>97に促されるまま、素直にベッドに腰を下ろした。
けれど「薬とか貰ってくる」なんて話が出てきた所為で、寮母さんへの申し訳なさから、「風邪です!」なんて嘘を吐くのは躊躇ってしまった。
ただ、視線を落として、無言を保ってしまった。
そして今度こそ本当に、額に触れられた。
近づく手。前髪を梳いて分ける指先。手の甲が伝えてくる肌の感触と温度。
私には、三船さんの手が温かく感じられた。つまりそれは、私が熱なんて出していないと彼女にバレるということなのだけれど。]
……、うん。
[「赤いね」なんて言葉へ、返事ともいえない力ない声を零した。
額から頬へ、顎へと降りてくる手の感触。くすぐったいというより、ちりりとする。
赤い顔のまま、私は目を閉じて、その感触をやりすごした。]
(104) 2017/01/31(Tue) 23時頃