[>>79差し伸ばされた手を、目を輝かせてぎゅうと握る。そしてすぐに、我に帰って。カーディガンより顔を赤くして、慌てて離れた。嬉しくて、思わず握ってしまったけど、なんてはしたない事をしたんだろう!
神楽はもしかしたら、社交辞令や冗談で言っていたかもしれないのに。
途端に恥ずかしさと申し訳なさで、…は縮こまる。]
ご、ごめんなさい!
つい握っちゃって、あっ、でも、神楽くんが嫌なんじゃなくて、そうじゃなくて……!
[わたわたと。両手を顔の前で振りながら、必死で言い訳をした。
でも、少し彼の表情を伺いながら、少しだけ勇気を出して。
もし彼が何十回考え直しても嫌がってなさそうな顔をしていたら、小指くらいは握っても許されるだろうか。
そう思いながら、ちらちらと遠慮がちにそっと小指を絡ませた。]
……まるで、ゆびきりしてるみたい。
[小さくそう呟いて、…は頬を赤くしたまま笑ってみせた。]
神楽くん、ありがとう。
心強い。
(104) 2015/06/20(Sat) 21時半頃