そうニャのです。
これは宿命というモノ……!
馬鹿にはしていないニャ。
ライオンはウサギを狩るのも全力。
それと同じですニャ。
[アシモフの赤くて円らな瞳を見据えながら、挑戦的な視線を送る。
やがて舟はゆっくりと発進し、アシモフの姿が遠く、小さくなる。
自由の女神が乗客を迎え、高層ビルが視界に入る。エンパイアステートビルの尖塔が見え、ブロードウェイの煌びやかな街並みへと続いていく。
ポーラはきゃあきゃあと騒ぎながら、それらの風景を眺めた。膝の上のアーサーとはどんな言葉を交わしただろうか。]
あそことかどうかニャ?
エッグ隠せそうじゃニャい?
[そんな事を時折喋りながら、蒼い目は忙しなく人形劇を見やる。
丁度ギャング達が胡散臭い会話を繰り広げ、アシモフ一家がそれを物陰から盗み見ているシーンだった。ところどころ、何かに齧られたような穴が目に付くのは気の所為だろうか。**]
(104) 2015/04/23(Thu) 02時半頃