[ 結局スプスプイはどれだけ待っても姿を表さず、声>>5が漏れるまでにそう時間はかからなかった。
スプスプイの名に反応したのか、ワクラバ>>64の頭がほんの少し上向く。
遠くから聞こえる金属音>>2:243はまるでその身の内を満たしているようだと、微かな違いには気づかぬまま、目を見つめて言葉を待った。]
―― っ、
[ ガスが喉奥で鳴ったのは、息を飲む真似事をしたからだ。
昨日コータを持ち上げた大きな手には、昨日コータが持っていた掠れた青と同じものが並んでいた。斑に広がる赤と灰色が、その死を示していた。]
……。
[ 何も言わなかった。言えなかった。
元より口が上手い訳でもなく、何よりその事実を口にすることに怯えているようだった。
大きな掌から、小石のような形が4つ落ちる。]
(103) 2020/08/30(Sun) 20時半頃