─ 現在 / 湖 ─
[>>90幟乃から名乗れば、ぱあと女の顔が明るくなったような気がします。幟乃は眉を吊り上げながらも、ふっと気が抜けるのを感じました。]
……おや、仲間か。
[幟乃は手裏剣の刃の切っ先をつんと女に突きつけていましたが、名前と代理している大罪を聞けば、ゆっくりその腕を下ろします。
けれども、少し疑わしそうに小首を傾げたでしょう。ふんわりとした穏やかな雰囲気を感じるものですから、アイリスは幟乃にはとても大罪側には見えないのです。けれども、此処に来てからのことを惜しげも無く話す様子から段々と警戒も薄れてゆきました。]
傲慢が似合うと言われると、何だか軽んじられているような気分になるな。
[アイリスが冗談混じりにそう言えば、拗ねたような声で不満そうに言ったでしょう。自分は偉そうなのではなく偉いのだなんて威張り腐っています。]
そういう君は、わたくしの瞳からは…大罪を抱えているようには見えないが。
ふむ、その──…ケイイチ、とやらはどんな容貌をしているのだ?
(103) 2014/12/28(Sun) 22時半頃