[崩れた体制を立て直す前に、思わぬ方向から裏拳が飛んできた>>93。
首が折れそうなぐらいの衝撃を受けても耐え切れたのは吸血鬼のスペックのおかげか。
裏拳により吹っ飛ばされ、起き上がってみれば、口の中に転がる固い物を感じ、ぺっと吐き出せば、地面に転がるのは白い歯。
そして、霧化能力の真の使い方、と思える様な説明が聞こえた、と思いきや濃い霧が周辺を包み込んで。]
こいつは、すげぇや……っと!
[時折飛んで来る拳や蹴りを躱しながらも、反撃してみれば、霧散して消える。
沼で見た霧とは違い、自由に使い熟しながら攻撃をする師匠を見れば、よりイメージが湧きやすい。]
こうか? こう、なのか?
分かりそうで、分からねぇーっ!!
[イメージが段々固まり、魔力を用いり霧化を試そうか、という時。
先程炸裂したのと同じ様な、いやそれ以上なのかも知れない。
そんな強烈な蹴りが、再び腹部へと向かっていくのを察知すれば、霧のイメージをより強くさせていけば。
何故だか、腹部に何も衝撃も痛みも感じなくなった。
よくよく見ると、自分の脚は大地に立っており、腹部が白い靄みたいな物しか見えなくて。]
(102) いこま 2015/08/12(Wed) 20時半頃