― 個室3 ―[駆け寄り腕を伸ばした先、マーゴは逃げるように身を引いた。 壁がなければ抱き締められないように逃げたいのか。 翠は一瞬だけ酷く傷ついた色をみせ 両腕はその動作にそれ以上腕を伸ばせなくなる。] ばか……血の臭いがするんだよ…… なんでも、ないわけ、ないだろ……[ただ届く血の臭いに、今は自分の気持ちに蓋をし 壁の血痕を思い出す……小さな右手の血痕] ……なんでも、ないなら。右手、だせよ……[と、痛々しい笑みに語気強めに問い但しながら。 背後から声がかかるも 目の前が気になりふりかえれない。][マーゴが、少しずつ言葉を溢し始めれば 眉がよってしまう。]
(102) 2011/04/22(Fri) 19時頃