[屋敷を出る前、台所に顔を出せば、朝食の後片付けを終わらせて、一休みしているブルーノを見つけて歩み寄る。]
ブルーノ。本当に、行かないの?
[少し拗ねた仕草で不満を露わにしても、軽く袖にされてしまって、恋奈は、もう。と口を尖らせた。
頑固でそして少し不器用な悪魔の頬へとキスを掠めて、渋々、行ってきます。と告げる。
それは異国で育った恋奈が、両親へと毎朝してきた挨拶と同じもの。
彼の傍にあすみが作ったキッチンミトンが置いてある事に気づけば、また一つ、彼女の暖かさが館に浸透していくような感覚を覚える。
可愛らしいミトンをブルーノが使うことを想像して、そのギャップに少し笑みを漏らした。
そして、いつも彼女の傍にいる千亜紀の事を思い出すと、買ったばかりのスマートフォンを取り出して、彼の名前を探す。
上手く見つける事が出来れば、慣れない手つきで彼にメッセージを送って、カバンの中身を確かめると屋敷を後にする。*]
(102) milkxxxx 2015/01/25(Sun) 13時半頃