ちょっとまえ、みつけたの
どうしてもないしょにしたいの
だって…おとうさんもおかあさんも、
おじさんもおばさんも、みんな、みんな…
ぼくをたいせつにしてくれないんだもの
[ 作品や愛用品は殆ど美術館へ。おかげで、画家の終の住処には、彼の残したものがーー思い出が殆ど何もない……彼の家なのに。
それを少女はいつも不思議に、そして不審に思っていました。]
・・・たいせつにしてくれないと、いや
[ きっと家族よりは伯爵夫人は大切にしてくれると思っていました。「X城の思い出」は、ちゃんと彼処にあるのですから。
彼がいた、軌跡が。
少女には知る由もありませんでした。
その屋敷でも約500年もの歳月の中、様々な思い入れが執念が、欲望が、一枚の絵に向けられていることなど。
今ならあまりにも幼い依頼だったとわかります。もしかしたら名探偵を困らせてしまったかもしれません**]
(102) 2016/07/27(Wed) 15時頃