【人】 トレーサー キルロイ

[ヤナギとの"現実逃避"に耽りながら、どちゃ、べちゃり、と二つの音がした。
一つは半身が崩れた音>>97。もう一つは、立っていた者が崩されたような音。>>99]

――Ｊ、ッ

[無論、見ないフリはあくまでフリ。苦しみから目を逸らすだけのその場しのぎでしかない。ちらと目線を上げて三者の方を伺い見た。
Ｊも朧も悲惨な状況に居る様だが、戒めは解かれたようだ。
朧も倒れて直円の視線がそちらを向くのなら、Ｊの責め苦は終わった、のだろうか。

視線が逸れているうちに、隙があればＪをこちらに引き寄せようと密かに立ち上がる脚に力を込めた。

ヤナギがその様子に気付けば、清める水が必要だと告げておくだろう。]

(101) tomming 2016/06/20(Mon) 01時頃