樫樹くん。──あの時、声をかけてくれて、ありがとう。[今、手を貸してくれた彼が、どんな気持ちでそうしてくれたのかはやっぱり分からない。取り乱している女子を放っておくのが人でなしのようで気分が悪いとか、そんな理由かもしれない。人の心の内なんて推し量れない。だけど、それが優しさであろうと、なかろうと。人は、誰かの行為で勝手に救われたり、その逆もまた然りだ。とりあえず、手を貸してくれた彼の行為で、私が今なんとか立ち上がれた、って。結果としては、そういう話。*]
(101) 2015/07/10(Fri) 21時半頃