[1人は、今朝最悪な出会いをした挙句の──まさかの過去の知人であり。
もう1人の青年は、確かチアキと言う名の郵便局員…だった筈だ。街中を自転車で駆け巡る彼に声をかけたきっかけは何だっただろうか。確か──そうだ、確か落し物をしたとわざわざ追いかけてきたお人好し…気の良い青年、が彼だった。華やかで明るい顔立ちは好みではあったので、軽く誘って挨拶に腰でも撫でたのだったか。
…遠く幼い日々。チアキにもまた、確かに出会っていたかもしれない日の事は、まだ彼本人からは思い至っておらず。
取り留めない、過去の記憶もない混ぜになった感情。トレーラーに向かうには傍にいかざるを得なかった彼らの傍へと、重い足取りを進めて]
──…よゥ。…今日もキリキリ、元気そうだなァ?
[彼らに何かを言われるよりも、先にと。複雑に低まった声を向けた]
(101) 2013/07/18(Thu) 01時半頃