ー回想:探偵さんー
[ それはまだお転婆な頃でした。
屋敷を訪れることは出来なくとも、少女は何もしなかったわけではありません。
(もっと後の話になりますが、屋敷の近くには文通相手だっていたのです)
少女はある時、勇気を出してアイリーンという探偵の元を訪れていました。少女1人がやってきた事に、アイリーンはどんな声をかけてきたでしょう。
少女はお小遣いを全て渡して懸命に、拙い気持ちを言葉にしました。]
あのね、ぼくをつれていってあげたいの!
おとうさんや、おかあさんにはないしょで・・・
[ 例えぼくとは何か尋ねられても、上手く説明が出来ませんでした。何故なら、ぼくは手紙と指輪を見つけた時から、時折話しかけてくる見えない友達のようなものでしたから。]
これ・・・なんてかいてあるか、わかる?
[ だからせめて伝わるようにとポーチから手紙と指輪を出して見せました。
(少女が誰かにこれを見せるのは初めての事であり、それ以降、誰にも見せていません。)]
(101) 2016/07/27(Wed) 15時頃