[とん、とん。と静かに叩かれる背に、眠りの底に沈んだまま。
如何程の時間が経ったか、次に目を覚ましたのは
室内に渡る放送が、身体の奥底で響いた時。薄らとあおを開く。
…己の身体が横に伏している事実に疑問こそ覚えど、その原因を知ろうとも思わないが。]
……、?
[心音に似た心地良さに、幾度か目を瞬いて。
もぞ、と身じろぎしたのは幾分も経過してから。
その間放送された内容は耳にしていたが、それに大きな反応を示す事は無かった。
己が怠惰の器だと、既に知っている。…喩え担当の管理者が変われど、揺るがないと。
ふと傍に、一つの影が立った事に気付いてか。顔だけが其方へと向く。
…見下ろす視線。男の姿に一度瞬きして。
その背を叩くのが誰かと漸く疑問に思ったのか、男へと向けた視線を更に深く動かす。
短い髪の女性の姿を認めて少しだけ不思議そうにした後、再び男へと視線を戻した。]
(101) 2011/04/16(Sat) 21時半頃