― 青少年の趣味嗜好 ―
[物心ついた頃から。
ふんわりもこもこ可愛いらしいものが好きだった。
中でも心惹かれるのは愛らしい動物を模したぬいぐるみ達。
つぶらな眼差し。柔らかな体躯。
一度抱き着けば、やみつきになった。
幼いときは別段隠してもいなかったけど。
他言しないようになったのは、
自身の性を発端とした、珍しくもない不愉快な出来事からだ。
そんなわけで外には出さず、家の自室で愛でるだけに留めているのだけれど。
そうなると問題は入手方法。
最初は普通に購入していた。
しかし取り扱っている店なんて限られている。
「彼女へのプレゼント?」なんて微笑ましいものだった店員の眼差しも、数を重ねれば別の色へと変わってくる。
ひょっとしたら俺の被害妄想だったかもしれないけど。
ファンシーな雑貨屋から出てくる姿を学校のやつらに見られるリスクも避けたかった。]
(101) 2016/12/15(Thu) 22時頃