そうだな、心配しなくても、この学校の勇者様って称号くらいは譲ってやるさ。
僕が目指しているのはそんなところじゃないからな。
[ライバルだの切磋琢磨だのという言葉にふと笑いながらも、ただ一点だけに否定を交える。]
だが、魔王を倒すのは他でもない、この僕だ。
それだけは…絶対に誰にも譲らない……。
[その言葉に誰かが見えた気がする。
ミームにそんな言葉を返して去って行く後ろ姿を見送る。
当然背中越しにかけられた言葉は聞こえなかったけれど…。]
勇者…世界を救う希望、きっとその称号は誰かが取るものでも、与えられるものでもない。
その生き様が、何を為したかが、後の世に与える称号だ。
思い知るとしたら…もっと後世の話だよ、ミーム。
[空に向かってそう呟いた。
その称号は今はいらない。今欲しいのは、皆が笑顔でいられる場所を守れる力だけだから。]
(100) りおん 2015/05/05(Tue) 00時半頃