[剣を構える男に対して、頷いて見せる。]
自覚があるなら真に結構。
そして、人間の味方をしたいのなら止めることもない。
問題はただ一つ、お前が破滅させたがっている男の一族は、代々受け継いだ呪いによって自滅しかかっていることか。
――ひっひっひ、手負いとみて油断してくれれば有難いんだがなあ?
[剣士と拳士を交互に見やり、水球の狙いを定める。]
貴様は先ほどヘクトルと名乗っていたっけな? そしてこちらはアマトか。
ふむ、名を知ってしまった以上、こちらも名乗るのが道理か。
我が名は仁右衛門。見ての通り、『人でなし』で、ついでに言えば、貴様らの敵だ。
さらに言えば、≪金言≫と呼ばれた力が別の力へと変化したため、どの二つ名を自認するか――は、まあいい。
貴様らを屠ってからゆっくり考えるとしよう。
海魔の礫≪ブルー・ティアーズ≫よ、こやつらを打ち砕けッ!!
[見境なく、躊躇なく、同時に二人に向けて水弾を雨霰のように放った。]
(100) 2014/08/25(Mon) 01時半頃