[>>81つんつん、と背中を突っつかれる感触。
しまった。ハルは見た目とは裏腹に、男子高校生の心理を把握している立派な男子だということを忘れていた。
どうにもやりづらい。
同じ年頃の女子を見ていると思うのは、やはり自分とは決定的に違う生き物だということ。
俺は少なくとも、感情を剥き出しにして笑ったり泣いたりはできないし、表では仲良くするフリをして陰口を言うこともない。
時折、不意に詰められる距離も苦手だ。落ち着かない。
全ての女子がそうというわけではないだろうが――そう、きっと、相容れない。
俺に器用な人付き合いなんて、できるはずがないんだ。
思い出そうとしてまた少し、頭痛が走る。]
……少ないよな。
俺、お前らが最初だ。家から出て、会ったの。
[ハルの言葉に、思い返してみれば、そうだった。
川で溺れかかっていた猫を助けた時も、誰一人通りかからなかった。
目立たない裏路地というわけでもなく、大手を振って歩ける通学路だというのに。]
(100) 2015/06/17(Wed) 23時半頃