158 Anotherday for "wolves"


【人】 長老の孫 マーゴ


  先生、おくすりは 今日でさいごにしましょ。

[ぱっと見、問題なく輝く黒曜の両眼が瞼の下に眠っている。
しかしそれが脳に映像を届けることはないのだ。

もう人のままで視ることは、諦めたほうが良いのだろうと。

――変化われば、どうなのだろうか と。
まだ一度も”獣”になったことの無い少女は
かわれるのかどうかにすら、不安を覚えつつ
同じ獣の先生に、身を預ける。
器官の欠損と言うよりは、もっと別のなにかが――。

窓の外を彩る小鳥の囀り>>93に応えるように
座った診療室の椅子が、キィ と乾いた音を立てた*]

(100) 2015/05/09(Sat) 23時頃

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