ーー廊下ーー
[歩いていると相変わらず倒れている生徒が数人。この環境に慣れてしまいそうなのが何とも不思議だが、同時に何かを失っているような気がした]
ん…?
[廊下の隅に倒れている生徒が突然右足を掴んできた。一瞬驚いたが、その掴む力は弱々しい。
そちらを振り返る。どうやらレイブンクローの者のようだ。傷が酷く、治癒魔法をかけようとも恐らく先は長く無いだろう。
その生徒が何か伝えようとしてくるが、声が小さくて聞こえない。仕方なく、もっと近付いて耳を澄ませると…]
レイブンクロー1年のカルヴィンが攻撃してきた…?
[貰った言葉をそのまま繰り返すと、その生徒はうんうんと必死に頷く。
大方、グリフィンドールを味方と思っていて、最期に少しでも情報を提供したいのだろう]
そうか。「一応」、感謝だ。
[相手の状態がどうあれ変わらない態度。
せめて最期は1人にしてやろうと、その場を立ち去ろう]
(100) 2015/02/06(Fri) 23時半頃