[教会の扉を開ければ、坊主を中に入れて扉を閉め。相変わらず人気のない教会に苦笑しつつも、坊主の手を払い手にした百合を代わりに坊主の腕に挟ませれば、窓際の花瓶の元へと向かう。
花瓶に刺された二輪の白百合のうち、小さい方を抜き取り、近くの棚から取り出した布を茎に巻き。坊主がその間どうしているかは知らんが、兎も角坊主の元へと戻って行く。]
……どうした、くれるんじゃあねェのか。
[花を片手に、ん、と手を差し出して。坊主が百合を差し出したのなら、肩を竦めてそれを受け取る。
差し出さんのならさも面倒臭そうに、坊主の前で手をぶらぶら振って、百合を催促しただろうが――何の為に、さっきその百合を返したと思っているんだか。
そうして手にした、綺麗な方の百合を代わりに腕に挟ませたのなら、小さく鼻を鳴らして坊主の頭を指で弾いた。]
(100) 2015/04/10(Fri) 21時頃