[あぁ、本当に。自分は一体何をしている。今日何度目になるだろうその疑問に情けなく眉を下げつつも、坊主が泣き止むまでは仕方がないからこうしてやろう。
それにしても、不毛な事だ。例え側に居たとしても、キスも出来なけりゃセックスなんて以ての外だ。それどころか、手を握る事も出来んと言うのに。
そう、先程の騒ぎを思い返し。この呪われた村で、側にいる事に果たしてどれだけの意味があるのだろう。]
約束が守れんのなら、二度と来るな。
分かったか……ん?
[それでも、どうして。冷たく突き放す事が出来ないのだろうと。
お前さんの勘違いだ、そういうつもりなら二度と顔を見せるんじゃあねェ――そう、言ってやるつもりだったのに。
坊主がその約束を了承すれば、表情は緩めないまま一度髪をくしゃりとかき混ぜる。了承せんかったのなら……ならこの話は終わりだと離れようとすれば、きっと了承するだろう。
再び鎖を引き、教会へと向かいつつ。腕を掴みたいのなら――それこそ今更だ、好きにすればいい。]
(99) 2015/04/10(Fri) 21時頃