[血を、吸われた。
確証はないけれど、紅い槍に刺されたあのとき、一瞬だけ何かが自身の血と混じり、奪われた、気がする。
何が起きていたのかわからなかったけれど、とにかく、気持ちが悪かった。
男の能力について考えるも、左肩の痛みでうまく頭も働かない。
武器も拾ったつもりが落としてしまっていた。自身の情けなさに舌打ちをする]
(どうしたものか……)
[男が蛇を躱したことにより、こちらの位置は見失っただろう>>96。そしてその身を隠した木も、自分は捉えている。
しかし、放られた薙刀はどちらかといえば男の木の近くにある。単純に突っ込めばまた攻撃を受けるのは目に見えていた。
武器を諦め逃げることは容易だが、今後出遭うであろう敵に、丸腰で挑むのも如何なものか。後で取りに来ようにも、あの男に再び遭遇したり、武器を奪われようものなら今度こそ命を取られる]
(99) 2015/09/19(Sat) 10時半頃