[ちりん、と響く鈴の音。>>95
自らと同様に音に長けた能力を持ちながら、前線で活躍し隊長格へと上りつめた存在。
入隊当初はサポートに回れとワタヌキの元に配属されたのに、弟子にして下さい!と押しかけたのも懐かしい記憶。
そんな彼なら、微かな呻き声でも聞き取れてしまうだろうか。]
う……く、ぅ……うあ……
[救助を受け、中に入り込むには多少の演技も必要になる。苦しそうな声を出して、落ちている刀に手を伸ばす。
最早布切れと化した対魔忍スーツの破片が纏わり付くのもそのままに、手近な壁でわだかまる触手に向かって振り上げ、何度か斬りつけた。
ざん!ざん!と風を裂く音に、粘液が飛び散り触手が暴れる音が加わる。これで少しは抵抗の形跡も偽装できただろうか。]
……くそ、負けねえ、……っ
[無残にぶつ切りとなった触手を潰して、元々の負けん気を演出する。皆顔見知りではあるようだから、違和感は少なければ少ないほどよい。
それでも、主が溶け込んだ箇所の触手には傷をつけるなんて考えられなかったけれど。*]
(98) 2018/02/20(Tue) 09時半頃