―今朝・礼拝堂前―
――――どうし、て、
[どうして。どうしてどうしてどうして!!!
確かに堕ちたはずの意識が戻ってきて。それと同時に首筋と肩口の傷が深く、深く痛んだ。少しずつ――戻ってきてほしくもない聴覚が、視覚が、徐々に徐々に戻ってきてしまう。
少し、体を持ち上げてみると案の定、床は自らの血で塗れていた。と同時に、鋭く焼けるような痛みが右肩を走り、思わず呻き声を小さくあげる。]
(あぁ、もう駄目だろうな、これ。)
[右肩の破れた布の隙間から見えたのは、あまりにも深い傷だった。自分でも、何故生きているのか――なぜ、死なせてくれなかったのか、分からないぐらいの傷だった。]
ちくしょ……
[痛みに、感覚すらなくなりつつある上半身を無理やり起こすと。目の前にあった――礼拝堂への扉を、開いた。
このまま。このまま、戦いの中で死ぬこともできずに。望みをかなえることもできずに。1人死んでいくなんて。
――――そんなの、*あんまりだ*]
(97) 2014/11/11(Tue) 22時半頃