[カメレオンの文様……って、トカゲとカメレオンは典型的にちがうぞ!?しかし、セシルはそれを買うようだった]
ええと、銀貨と……。はい!
[黒い布を纏った店主から布袋を受け取ったセシルは、中身を覗いて小首を傾げた。それにつられてトカゲも中をのぞくと、中に入っていたのは、美しい装飾で飾られた小さな指輪。……セシルの魔法とは少し香りの違う、柔らかな光に包まれたもの。]
あの、中身が違……
[顔を上げたセシルの前に屋台はなく。黒いフードの店主は幼い顔で、彼に微笑んでみせた。女の子?セシルがそう呟くと、少女は彼から一歩離れて、ぺこりとお辞儀をして言った]
[『彼を、止めてほしいの、私は大丈夫だからって、伝えてほしいの。それがあれば、貴方に危険は及ばないから……』]
え?あの、
[立ち上がって手を伸ばした先に、少女は既に居ず。後に残ったのはセシルとお供のトカゲ。それと、淡く光る指輪。]
(97) 2011/09/25(Sun) 00時頃