―翌日,私室―
[日も昇るころ、のそりと起きだすその足に昨夜ほどの痛みはない。
漆黒の絹に銀の昇り龍があしらわれたドレスは矢張り異国の情緒溢れるもの。
縦襟は首を隠し、柔らかなラインを描く胸元から腰へのくびれを強調する絹の衣服は太腿が覗くよう深いスリットが入っている。
この国では非常識だろう、婦人が足を覗かせるなど卑猥な行為を連想させるもの]
……いつまでこの仮面舞踏会が続くのか、問うても?
[短い黒髪に飾りはない。
したくを手伝う離宮の使用人に向けた言葉、その返答に真紅が丸くなる。
>>#0とうに使者が到達していた時間、使用人にもその話は及んでいた]
なんと
して、屍骸は何処に?
呪いの仮面とは面白い事を言う。
呪いだけで人は殺せると思うか?
[すっくと立ち上がり、黒絹の靴を履くと扉を開き外へ向かう。
その顔には昨日と同じ仮面をつけて]
(97) 2011/02/06(Sun) 14時半頃