[ひとつ、悔いというものがあるとするならば。]
戻るよりも、だ。
あたしは、その大事な人が国を治められたかどうかが知りたい。
それを知れる世界で、生きてみたいねぇ。
[信じて疑わない、己の主君が天下を治めた姿を見られないことだろう。
にまりと、オーレリアに向かって笑みを向ける。]
お嬢さん達の話を聞いて、一応理解はしているつもりなんだ。
君達の誰かが導いてくれる新しい世界っていうのは、そういった望みにもしかしたら触れられる世界かもしれないってね。
あたしは、あたしに出来る役目を終えられたと思っている。
……ならば。
あたしが次に生きたいと望む世界は、あたしが知りたいってことを、とことん知れる世界がいい。
[それはオーレリアの祈り>>1:531を知らず無碍にするものだったが、ある程度満足して死した身としては、今口にした以上の望みは持てなかった。
それに、己が身を引いたからこそ知れる歴史もあるかもしれない。と、そんな考えがあった。]
(97) 2015/12/11(Fri) 21時半頃