>>95彼女の言葉を受けて、ふと、考え込んで。
笑みを消して真面目な顔になると。]
…………いいえ、個人ではありません。
右手をそれとなく見てください。
何をしているのだと、不機嫌になり始めた私のお母様がいらっしゃいます。
……私に決定権など無いのですよ。
ここは私、クラリッサをお披露目する場所ではなく。
オーガスタ家の長女をお披露目する場所なのですから。
[すっ、と前のめりになると自分の顔を、彼女の顔に近づける。
頬と頬が重なるような、私の口が彼女の耳元に届くような距離。]
…………誰かがこの舞踏会から連れ出してくれれば話はまた違うのかもしれませんけどね?
[かつん、と姿勢を正すと]
失礼。どうやら私に指名が来たようで。殿方と一曲踊りに参りますわ。ローズマリー様にも良き出会いがあるよう、願っております。
[別れの挨拶に礼をすると、クラリッサは殿方に手を取られ再び舞踏会へと舞い戻っていっただろう。]**
(97) 2016/01/10(Sun) 18時頃