[ 交叉る路よりも先、 丘からの道を下っている、その道中。 入れ違いに丘へ向かって石畳鳴らす音があった。 其の儘、一度は横を掠めあった身体を>>83 吹き付ける風に、今は影を為す洋墨の輪郭に 後ろ髪引かれるようにして足を止めた。 振り返れば、彼も同様であっただろうか。 風が乱す髪糸を、書物を抱えていない右の手で 耳へ軽く掛けながら 暫し沈黙の後、 ]
(96) 2018/10/14(Sun) 23時頃