>>65
……。すぐにじゃねーがな。…最終的にゃ、投票に行く、だけだ。
アンタも、行くだろ?
[行く、と。自分の意思である事を示す言葉を、僅かな躊躇いをそれでも含んで返すと。チアキの何もかもを知らず──思いを馳せる事もできぬ己は、ただ肩を竦めて続く言葉を、吐いた。…彼が纏う違和感は、この町全体を包んだ異様な出来事のせいであろうとの、ひとまずの勝手な推測。自身の疲れへの言及はしない、ただ僅かに視線を庭を飾った花と、佇んだ家へと外し]
…そっちこそ、疲れてんじゃねェの?
ひと一人、…殺した事もねー奴らが、いきなり選んで殺せッつわれたら、……幾らアンタでも、色々あるかもしれねえがよ。
──、…アンタの家だったんだな。
見覚え、ある筈だ。
[ふとした独白は、改めて思い返せば確かに見覚えのある家と風景に対するもの。いつだったか、…暗くなってしまった道のり、幼い彼の手を引き家に送り届けた記憶。彼の家族が、あの玄関先で出迎えた事を思い出した]
(96) 2013/07/26(Fri) 18時半頃