[ 勢いよく箒が吹き飛ぶ音がして>>82、
玄関ホールのど真ん中まで音を立てながら飛んでいく。
けれどそうなってなお彼女は気の抜けた声を零すばかりで、
横たわる箒を見つめているだろう顔も瞳の色も見えないけれど。
状況が飲み込めないと言わんばかりなのは、様子を見ればすぐに理解が出来た。 ]
……ふふ、
[ 向き合う彼女の真面目な顔つき。
それに違わず飛び出てくる問いかけには、確信めいた色。
頷いて肯定する代わりに杖と攻撃を向けて。
大嫌いなマグルで、ダイッキライな性質ばかり抱え持った彼女の澄んだ瞳と無邪気な顔が。
苦痛に歪むことを信じて疑わなかった。
けれど視界に映るのは微動だにせず、涼しい顔で攻撃を受けるだけのクラリッサの姿。
頬や腕、足を切り裂かれてもなお、
"痛み"がないように。流れる血も傷口も気にせず、無反応で首を傾げるおかしな様子だけ。 ]
(96) 2016/02/13(Sat) 19時頃