数百から数千に一匹だからな…。[暗闇の中。仄かに光青白い妖精たちの気配に混じる金色を想像しながら、先を歩くイアンの隣りに並んだ。] イアンは…。 見つけたら何か、願いたいことがあるのか?[数百、数千分の一の幸運に願いたいイアンの願い事。自分の願いは言わないくせに、聞きたがるのは狡いだろうか。外へ出れば、陽が沈んだ後の冷たい空気が肌を撫でる。カイロでも持ってくればよかったかと思ったが、歩いていれば少しは温まるだろうと。無骨な素手をコートのポケットに押し込んで、中に入れたままのサイリウムを握った。*]
(95) 2015/11/23(Mon) 19時半頃