―礼拝堂―
[ 行く先に人気のないようなら礼拝堂の中へと足を踏み入れる。先客がいるにしても、なに食わぬ顔で同じようにしただろう。
――どうやら、誰もいない。
やがてそう結論付ければ、祭壇の前へと歩を進め、]
[ 音を立てることなく振るうのは、白い剣戟。]
[ 腰へと戻す前にひと振りすれば、どうやら機嫌は悪くないらしい。暫く前に人肌を撫でたあと>>0:153は軽く手入れをしたばかりで放っておいたから、少しくらいは臍を曲げていてもおかしくないと思っていたのに、だ。
――…さりとて、安心することでもないけれど。
刀は、生き物だから大事に扱うように。
腰へと下げた得物を頂戴したときだったか。
自分へと厳格に告げられた言葉を思い出せば、苦笑。]
[ かちり ][ 鍔を落ち着ければ、その場にゆるりと腰を下ろした。
……二つに割れた祭壇へは寄りかからぬよう。]
(95) 2014/11/07(Fri) 15時頃